『アナザーコード リコレクション』感想

概要

タイトル:アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉

メーカー:任天堂

発売日:2024年01月19日

プレイ時間:12時間30分

感想

 DSとWiiで発売されていたアナザーコード2作品を1作にまとめたリメイク作。私はリメイク元をプレイしていないので比較等は行えず本作単体での評価です。

 率直な感想を申し上げると微妙。パッケージには「推理小説を読むように~」と記載されているのでストーリーを主眼に置くと序盤~中盤の起伏が緩く、山が来るのは本当に終盤でそれを終えると即エンディングだからやや物足りなさが残る。もっと中盤から物語をガンガン動いてくれるといいんだけど驚きの真実ターンが最初で最後の武器になっちゃってる。

 2つの記憶、記憶の扉のどちらも主人公アシュレイに男の子の組み合わせで物語が進んでいくが、中盤までメインになるのは男の子の話でアシュレイのターンが最終盤にしか残ってないのがそう感じる要因だと考えています。男の子の真相を暴くと同時にアシュレイのも分かっていく形になるはずなのに上手く両立しきてれない印象を受ける。

 ゲームプレイ部分について、恐らく全員が思うであろうカメラワークが異様に悪い。アシュレイの近くに配置されてるから視認性も操作性もすこぶる悪い。横に移動する時は重くて、カメラとキャラを同時に操作するのがやりにくくプレイ体験は悪かった。

 アドベンチャーゲームとしては会話シーンでのカメラワークや演出、会話の間、見せ方は弱いと感じた。あまり盛り上がらないというか絵面が単調。所々気になるのが会話の間で全体的にワンテンポ遅い。テキスト送りをオート設定にすると途中で切り上げるスキップ操作が出来なくなるのも地味に不便。

 謎解き要素はあってないような物で軽いスパイス程度の内容。小学生なら良いかもしれないがいい年した大人が楽しめるようなものではない。分からなくても段階的にヒントを与えたり、迷っても次の行先を示してくれる詰み防止の丁寧なアシスト機能があるからもっと難しくてもよかった。

 

・2つの記憶 編

 まあまあかなあ…。洋館を探索する面白さはあるんだけど、短いし呆気ない。深読みせずともこうなるだろうド直球の展開しか来ないから安心感はあれど意外性は無い。

 プレイしていて気になったのはアシュレイがメインのはずなのに事ある毎にディーの回想が挟まれるから行動→回想の連発でテンポが悪い。しかも、あくまでディーはサイドストーリーに過ぎずアシュレイは関係ないからこっちからしたらどうでもいい事に時間が割かれると苛つく。そのディー関連も相関図や登場人物が把握しづらいからストレスが溜まる。

 

・記憶の扉 編

 正直終盤まで何度も辞めようかと迷ったくらいにはつまらなかった。2つの記憶でもそうだったけど中盤までアシュレイと全く関係のない部分が話の主題として展開していくから「これ何の話やってんだろう」と悶々としながら進めていた。特にバンドのくだりは無くても成り立つし、マシューパートもアシュレイパートの踏み台みたいな形でイマイチ噛み合ってない。しかも、大半を共にしてきたマシューがフェードアウトした終盤が一番面白いから前半のいざこざは何だったのかと。

 つまらない一端はストーリーもそうだが大半がお使いで移動しかやることがない。探索と移動は別物で怪しい洋館を探索する2つの記憶と違い、あっち行ってこっち行ってがひたすら繰り返されるから面白くない。

 謎解きは単純。こっちが勝手に深読みしちゃってあれこれやった割には書いてある通りの内容をそのままやればいいだけだから歯ごたえはない。要所要所でドアを解除するよく分からないミニゲーム的なのが来るんだけどこれが凄まじくつまらない。画面に表示されてるボタンを押すだけ、後半はジャイロで傾きだの面倒くささしか残らない。

 それでも終盤ソフィア、ライアンが出てきた辺りからは面白いなと思い始めて、記憶・存在を巡る物語としてグッと来た。後味は決して悪くないんだけどね、如何せんゲームとしてつまらないのは致命的。アシュレイのホットパンツはエッチだった。

おわり

 そんな時間はかからないからやってもいいけどオススメはしない。